ダイエットのための運動と言えば、有酸素運動が効果的とよく言われます。筋トレはなんとなく必要以上にムキムキになってしまいそう、などの理由で敬遠してしまう人も多いですよね。
しかし筋トレこそ長期的に、痩せやすく太りにくい体を作るために必要な運動なのです!ここでは筋トレでダイエットを成功させるために知っておくべき知識や、すぐに実践できるおすすめ筋トレもご紹介していますので、ぜひやってみてくださいね!
筋トレがダイエットに良いのはなぜ?
そもそも、運動には「有酸素運動」と「無酸素運動」の2つがあります。この2つは以下のように分類できます。
【有酸素運動】
酸素を使い、糖質や脂質を消費して運動する
(例)ウォーキング、ジョギング、水泳、階段昇降など
【無酸素運動】
短い時間で、糖質を消費して運動する
(例)筋トレ、短距離走など
つまり、脂質を効率よく消費するためには、有酸素運動が良いということ。これが、「ダイエットには有酸素運動」と言われ続ける理由なんですね。しかし、有酸素運動はあくまでも運動した時にエネルギーを消費するためのものですから、有酸素運動だけをしてダイエットに成功しても、運動をやめるとすぐに元に戻ってしまうことが多いのです。
ダイエットの後にリバウンドしにくい体を作るためには、筋トレを並行して行うのがおすすめです。筋トレをすると、もちろん筋肉の量が増えます。筋肉が増えると「基礎代謝」という、何もしなくても消費されるエネルギーが増えます。これが、太りにくく痩せにくい体を作るのに最も大切なことなのです。
ただし、「寝る前3時間以内」「食事の直後」は避けましょう。筋トレ後しばらくは交感神経という活動するための神経が活発になってしまい、そのまま寝ると眠りが浅くなってしまいます。また、食事の直後は食べた分の栄養が消費されてしまうため、体についた脂肪を落とすのにはあまり効果がありません。
順番は「筋トレ→有酸素運動」
筋トレと有酸素運動を並行して行うと、太りにくく痩せにくい体を作れることがわかりました。さらに効果を上げるためには、筋トレの後に有酸素運動をすると良いでしょう。これには、以下のような理由があります。
・有酸素運動の前に筋トレで体を温める
・筋トレで成長ホルモンの分泌を促す
有酸素運動の前に体を温めるのはなぜ?
脂肪は、熱で柔らかくなったり溶け出したりする性質があります。生のお肉では白く脂が入っていても、火を通すと余分な脂が溶け出しますよね。それと同じように、体についた脂肪も温めて柔らかく溶け出しやすくすると、エネルギーとして消費されやすくなります。
逆に、体が冷えたままだと思ったように脂肪燃焼効果が得られないこともあるのです。筋トレで血行を良くし、体を温めてから有酸素運動を行えば、より効率よく余分な脂肪を燃やすことができます。
成長ホルモンはダイエットにいい?
筋トレをすると、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは脂肪を分解し、燃焼しやすくしてくれる効果があるため、その後の有酸素運動でより効率的に脂肪を燃焼させられるようになるのです。
また、成長ホルモンは筋肉そのものを育てる効果もあります。筋肉を育てると基礎代謝が上がりますので、さらに痩せやすく太りにくい体に近づくことができるのです。
部位別、ダイエットにおすすめの筋トレ
それでは、実際に部位別におすすめの筋トレをご紹介します。
【ヒップ&脚に】スクワット
1:足を肩幅の2倍くらいに開き、つま先を少し外側に向ける。
2:息を吐きながら、ひざがつま先よりも前に出ないよう注意し、お尻をやや突き出し気味にゆっくりと腰を落とす。
3:息を吸いながらゆっくりと元に戻る。
スクワットは急いで行うとひざなどの関節を痛めやすいため、関節に負担がかからないようゆっくりと行うことがポイントです。目安は10回×3セットですが、慣れてきて刺激が少ないと感じたら少しずつ回数を増やしていきましょう。
スクワットは、体の中でもトップクラスに大きいと言われる「ハムストリングス」「大腿四頭筋」という筋肉を鍛えられる筋トレです。大きい筋肉はそれだけ伸び幅も大きいので、育てることで基礎代謝が上がりやすいのです。
また、スクワットは太ももやヒップが中心のトレーニングですが、全身の筋肉を使っているため、消費カロリーも大きく、さらに効率よく筋肉を育てられることでもおすすめのトレーニングです。一説には、正しいやり方で行うスクワットは腹筋50〜100回にも匹敵すると言われています。
【体幹を鍛える】プランク
「体幹トレーニング」という筋トレもおすすめです。体幹とは体の深部に位置する筋肉で、インナーマッスルとも呼ばれ、姿勢を良くしたりバランスを良くしたりする働きをしています。
1:ひじを肩の真下について手を軽く握り、脚を伸ばす
2:上体が床と平行になるように頭からつま先までをしっかり伸ばし、10〜30秒キープする
この時、お尻が上がらないよう注意しましょう。10秒キープ×3セット<行うのが標準ですが、慣れてきてもっと鍛えたいという人は秒数を伸ばしていくのがおすすめです。
【下腹のぽっこり解消】両脚の上下運動
1:仰向けに寝転がり、脚をくっつけてまっすぐ伸ばし、手を広げて床にしっかりつける
2:息を吐きながら、下腹部の筋肉を使って両脚を90度まで上げる
3:息を吸いながら両脚をゆっくり下ろし、床につかないところで止め、再び上げる。
標準は10回程度ですが、難しければ5回くらいからスタートしてもOKです。また、慣れてきて刺激が少ないと感じたら、回数を増やすほか、両脚を下ろしたところで床につけないまま細かく上下させるなども良いでしょう。
筋トレの後は「プロテイン」でタンパク質をしっかり補給
筋トレは筋肉を育てる作用がありますが、そのためには筋肉になるための材料が必要です。筋肉の材料と言えば「タンパク質(アミノ酸)」で、女性は1日に40g、男性は1日に60gのタンパク質が必要とされています。トレーニングを行う人は、これよりも多めにタンパク質を摂取する必要があります。
しかし、この量のタンパク質を食事から補うのは非常に大変です。しかも、肉や魚から摂ろうとすると、どうしても糖質や脂質など、余分な栄養素も同時に摂取してしまいます。そこで、タンパク質以外の余分な成分をできるだけ少なくした補助食品「プロテイン」を摂るのがおすすめです。タンパク質が吸収されやすいよう、トレーニング後30分以内に摂取するとより効果的です。
筋トレをする頻度は?
筋トレで筋肉を育てるための「超回復」という考え方があります。これは、筋トレの後は24〜48時間しっかり筋肉を休ませることで、筋肉量がトレーニング前よりも増える現象のことを言います。逆に、この間に何度も同じ箇所の筋トレをすると筋肉がどんどん破壊されていってしまい、筋肉が減っていってしまいます。
特に、筋肉痛がある時は24〜48時間の休息をしっかり取りましょう。もちろん、他の部位であればトレーニングして構いませんので、今日はスクワット、明日は両脚上げ、のように日替わりで筋トレするのも良いですね。
まとめ
筋トレでダイエットするには、筋トレの後に有酸素運動をするのが最も効果的です。また、筋トレの後にはプロテインを摂ると効率よく筋肉を育てることができます。筋肉痛がある時には無理をせず、筋肉を休ませながら、痩せやすく太りにくい体を作りましょう!