「日本書紀」にその記述があるほど、古来日本で親しまれてきた伝統飲料「甘酒」。近年ではその栄養価の高さと、減量への効果が注目され、ダイエット食品としてよくメディアでも取り上げられています。このページでは、そんな甘酒の持つパワーと、甘酒ダイエット法、甘酒を使ったレシピなどについてご紹介します。
甘酒がダイエットにいい理由
甘酒は、「飲む点滴」とも言われていますが、何と無く体に良いという漠然としたイメージしか持っていない人も多いのでは?甘酒は酵素やビタミンなどの栄養がたっぷりで、体に吸収されやすいスーパーフードであるとともに、ダイエットと切ってもきれない「代謝」の働きをよくする効果があります。
酵素と代謝の関係
甘酒や味噌、納豆などの発酵食品の中に含まれる「酵素」ですが、私たちの体の中にも「体内酵素」というもともと存在している酵素があります。体内酵素は、食べ物の消化・吸収を手助けする「消化酵素」と、消化酵素により返還された栄養素を体に届けエネルギーに変える「代謝酵素」の2種類があります。
乱れた食生活を送っていると、消化酵素だけでなく代謝酵素までもが、食べ物の消化に使われてしまい、その結果うまく代謝が下がって太りやすくなります。そこで外からの「食物酵素」を摂取し消化に使う事で、代謝酵素は本来の役割、「代謝」を行うことができるようになります。
ビタミンB群と代謝の関係
甘酒は、「ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・パントテン酸・イノシトール・ビオチン・葉酸」といったビタミンB群を含みます。体内への吸収率もよく、これらビタミンB群は栄養素の代謝やエネルギーの産生を助ける働きがあります。糖質の燃焼にはビタミンB1、脂質の燃焼にはビタミンB2は必須ですが、そのほかのビタミンB群も一緒に摂ることで、代謝がアップし、運動時の蓮即した脂肪燃焼ができるようになります。
ビタミンB群のそのほかのメリットとしては、「コラーゲンの生成を助ける「毛細血管や骨の強化」「疲労回復効果」といったものがあり、美容や生き生きとした毎日の生活のためにも、積極的に摂取したい栄養素です。
ダイエット効果がある必須アミノ酸
「飲む点滴」でもある甘酒には、先に紹介した「酵素・ビタミン」の他に、筋力アップ・疲労回復力アップ・脂肪燃焼アップに重要な役割を果たす「必須アミノ酸」が何種類も含まれています。ダイエットへの効果が期待できるものは、次の4つの必須アミノ酸です。
【ヒスチジン】
食欲中枢に作用し体内の脂肪の燃焼を促すほか、免疫力アップ・冷え性回線にも効果あり。
【リジン】
ブドウ糖の代謝促進とカルシウムの吸収率アップ効果あり。不足すると脂肪燃焼低下や慢性疲労の原因にもなる。
【メチオニン】
血中コレステロール値を下げたり、活性酸素を取り除く作用があるほか、脂肪燃焼力アップ。
【スレオニン】
腸の働きを良くし、消化吸収や新陳代謝を促す効果あり。
腸内環境の正常化
甘酒には酵素やビタミンの他に、「オリゴ糖」や「食物繊維」も豊富に含まれています。「オリゴ糖」は健康的な体づくりに役立つ善玉菌の栄養素となり、腸内環境を整える効果があります。
また食物繊維は町内で膨らんで満腹感を満たしてくれるほか、便秘解消にも繋がります。同じ発酵食品のヨーグルトと合わせて摂取すると、より効果が期待できそうですね。
甘酒ダイエットの方法
それでは、どのように甘酒をダイエットに組み込んでいくといいかみていきましょう。
置き換えダイエット
まずは挑戦しやすい、1食だけ甘酒にする「置き換えダイエット」です。朝食・昼食・夕食のどれに置き換えてもいいのですが、オススメは朝食置き換えです。その理由は、先にご紹介した「酵素・ビタミンB群・必須アミノ酸」が豊富に含まれているので、1日の始まりに摂取することで疲れることなく過ごすことができます。
また甘みもあり満腹感もあるので、おやつ置き換えダイエットにもいいでしょう。いつもの油や砂糖をたくさん使った菓子類をやめ、甘酒に置き換えるだけで摂取カロリーを簡単に減らすことができます。
甘酒ファスティング
ダイエットに効果があるといわれる「ファスティング(断食)」、ご存知でしょうか?「断食=固形物断ち」をすることで消化活動を休ませ、消化酵素の温存ができるほか、デトックス効果もあるので、体のメンテナンスにとても効果的です。
いきなり食事を断つというのではなく、準備期間・断食期間・回復期間も設け、計画的に無理なく行うことが大切です。「甘酒ファスティング4日間」のオススメ方法は、こちらです。
【1日目(準備期)】
朝食・昼食は通常通りのもの。夕食は甘酒に置き換え。
【2〜3日目(断食期)】
甘酒のみの摂取。
【4日目(回復期)】
朝食は低糖質なサラダや果物など、昼食はおかゆやスープ、夕食は甘酒に置き換え。
こちらの4日間メニューはファスティング初心者でも、実践しやすい日程です。経験者やさらなる効果を出したい人には、1週間メニューがいいでしょう。最初の2日間を準備期間、3〜5日目を断食期間、最後の2日間を回復期間に当てることで、効果的に脂肪が落とせます。
ファスティング中にビタミンB群のサプリなどを摂ることもおすすめで、代謝がアップするほか、食事制限からくる疲労感も軽減できます。ファスティング後の食事ですが、血糖値が下がって体は飢餓状態にあるので、強い空腹感から一気にドカ食いをしてしまう危険もあります。
回復期間には、ダイエットの鉄則「血糖値の安定」のために、低糖質で噛みごたえのあるものをチョイスし、リバウンドをしないよう気をつけましょう!
甘酒ダイエット注意点
甘酒がダイエットやボディーメンテナンスに効果的なことは分かりましたね?しかしスーパーフードにも注意点はあります。
まずは甘酒のカロリー事情。栄養価が高いのでたくさん摂取したくなりますが、甘酒は意外とカロリーがあります。1回の摂取量120mlで、約100kcalほどはあり、清涼飲料水と比べてもカロリーは多いのが特徴。体に良い成分が入っているとはいえ、ダイエット中には摂取量も気をつけたいところです。
また甘酒には種類があり、味や成分にも違いがあるので知っておきたいポイントです。市販されている多くの甘酒は「酒粕」から作られたもので、酒粕に加糖しアルコール成分も含まれているので、ダイエット向きではありません。
一方「米麹」から作られる甘酒は、砂糖を加えない麹により引き出された米の甘みが特徴で、酒粕から作られた甘酒に比べ低カロリーです。
もう一つ気をつけておきたいポイントは、「甘酒は生がベター」ということ。麹から作られた甘酒には、ビタミンやアミノ酸などの他に100種類以上の酵素が含まれているのですが、市販されているもののほとんどは加熱殺菌処理により、麹菌が死んでしまったりビタミンが変成してしまったりしているのです。
市販のものを選ぶ場合は、65℃以下での熱処理しかしていないものにするといいでしょう。また麹を買い発酵器を使って、甘酒を手作りしてみるのも簡単でおすすめです。
甘酒豆乳スムージーレシピ
麹の優しい甘さが美味しい甘酒は、そのまま飲んでもいいのですが、バリエーションをつけることで飽きずに毎日続けていくことができます。ベースとなる甘酒スムージーの分量をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
・甘酒…大さじ3
・豆乳…80ml
・プレーンヨーグルト…大さじ2
・氷…3ブロック
上記にプラスして、下記のような季節のフルーツや野菜をプラスしましょう。お好みで量を調節し、数種類ブレンドしてもOKです。
例)
・ブルーベリー…20粒ほど
・オレンジ…半分
・バナナ…1本
・キウイ…1個
・りんご…半分
・イチヂク…1個
・ケール…適量
・小松菜…1束
甘みを足したいときは、ハチミツやドライフルーツなどを加えるとヘルシーです。
まとめ
ダイエットの強い味方、「甘酒」についてご紹介しましたが、いかがでしたか?甘酒は飲み始めてすぐに、ドラマチックな効果が出るというものではありません。他のダイエット法などと同じく、正しい食事・適度な運動と組み合わせて長く続けることで、効果が発揮されます。美味しく楽しく生活に取り入れることで、ぜひ健康的なダイエットにつなげてみてください!